温泉あがりのラーメンを愛する温泉ソムリエの徒然ブログ

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ぶらり銭湯シリーズ 〜京都・山城温泉〜 

はい、唐突に始まりました、銭湯シリーズ。

 

私自身、銭湯はあまり行かないのですが、銭湯自体は大好きです。

 

どうしても普段は温泉の方を優先してしまうので、銭湯活動は疎かになりがちですが、たまーに通りがかりに思いつきで入ったりすることがあります。

 

で、これはそんな私がぶらりと入った銭湯を紹介するシリーズです。

(いつもの温泉紹介とは別枠になります)

 

記念すべき第1回目は、京都にある『山城温泉』さんです。

 

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レンタサイクルで京都の街をぶらぶら観光していた際に無性に銭湯に入りたくなり、近くに銭湯はないかなーと、Google先生に訊ねて出てきたのがこちらの銭湯。

 

場所的には京都市上京区、最寄りの駅は京福電気鉄道(通称:嵐電)の北野白梅町駅から徒歩10分くらいのところにあります。

 

ところで、京都の地名って本当に分かりにくいですよね。郵便番号の検索なんかでも、そもそも地名が読めないもんだから大変です。上るとか下るとか頭がこんがらがるのは私だけでしょうか。

 

さて、そんなお話を置いておき山城温泉さんの紹介です。

 

まずはじめに勘違いしてはいけないので説明しておきますが、山城温泉さんは温泉ではありません。いわゆる温泉法で定義されている温泉ではないですが、銭湯の名前で○○温泉というところは結構多いです。個人的な感覚だと京都は特に多いような気がします。

 

ちなみに少し調べてみたところ、京都の銭湯(温泉)の歴史は、船岡温泉さんという銭湯マニアの間では有名な京都の銭湯が、当時(昭和8年頃)温泉の出なかった京都でなんとか温泉の許可を取りたいと考えた結果、日本で初めて電気風呂を導入し、船岡特殊温泉として許可を受けたのが最初とのことです。

 

温泉マニアの方からすると、なんだ温泉じゃないのか……と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、お湯が温泉ではないからといって侮ることなかれ。こちらの山城温泉の魅力をこれからたっぷりお伝えしちゃいます。

 

山城温泉の魅力その①

とってもいい気持ち。隅々まで掃除の行き届いた銭湯。

温泉や銭湯めぐりが趣味の方なら分かると思います。どれだけ良いお湯を提供していても、洗い場や脱衣所や洗面、トイレなどがあまりキレイでない施設って決して少なくないですよね。せっかく良いお湯なのに……それらがあまりキレイでないと、やっぱり少し残念な気持ちになってしまいます。ですが安心してください。この山城温泉は、HPをご覧いただければ分かりますが『日本一きれいな銭湯』を名乗っているほど、衛生管理には力を入れられています。その理由が若い労働力。山城温泉の裏には学生寮があります。そこの家賃・光熱費をタダにするという条件で、週3回銭湯の清掃が割り当てられます。毎日オーナーさんを含め、営業終了後の深夜に約2時間しっかりと清掃をしてくれています。現在は4名の学生さんがローテーションで清掃を担当しているそうで、仲間との連帯感が生まれ清掃も手抜きにならないとのことでした。

 

この、毎日2時間の清掃というのは、私も浴場の清掃は経験したことがあるので分かりますが、なかなかに大変です。お風呂(浴場)って、おそらくみなさんが思っている以上に汚れがすごいんです。自宅のお風呂でも少し放っておけば結構汚れますよね。家族数名だけでもそんな感じなのに、毎日何十人、何百人が入るお風呂(浴場)は、きちんと清掃をしてあげないと、本当に大変なことになってしまいます。衛生的にも良くないですしね。その点、意識の高い若い労働力がある山城温泉さんは、本当に気持ちよく入浴できます。

 

山城温泉の魅力その②

広々とした浴室。びっくりする程の洗い場の数。

銭湯って割と狭い施設も多いのですが、ここはとっても広いです。まず奥行きがすごい。一番奥にあるサウナは入り口からでは見えないほどです。あと、洗い場やシャワーの数がとても多いです。カランは昔ながらのお湯が赤、水が青のピストン式で、シャワーはヘッドが可動式でお湯も出したままにできるタイプです。使い勝手が良いので女性の方でも安心です。それと、やはり銭湯と言えばコレでしょう。ケロリン桶。誰が始めたのかは知りませんが、山城温泉さんにもケロリン桶がピラミッド状になっています。これがあると銭湯に来たなーという気持ちになりますね。

 

ちなみに、ケロリン桶には関西版と関東版があることをご存知ですか? 実は関西版の方が関東版よりひと回り小ぶりなのです。これは、関西と関東の入浴文化の違いによるもので、関西は浴槽のお湯で掛け湯をしてから入浴をするのが一般的ですが、関東は洗い場で先に身体を洗ってから入浴をするパターンが多いことに由来します。販売当初は関東版のみだったようですが、全国展開するにつれ関東版だとお湯を汲んだときに桶が重くなってしまい使い勝手が悪いということで、関西版が開発されたという経緯があるようです。ちなみに、シェア的には1対9と圧倒的に関東版が占めているそうですが、関西人の私としてはやはり、関西版のケロリン桶が愛おしいです。

 

山城温泉の魅力その③

種類豊富な浴槽の数々。

主浴槽、リラックスバス、ローリングバス、電気風呂、サウナ、露天風呂、水風呂など、銭湯としてはかなり多くの種類のお風呂を楽しむことができます。中でも、季節に合わせた薬湯は、月3〜4回種類を変えてくれるので、来るたびに新しい楽しみがあります。ちなみに、私が訪問した時は山城温泉オリジナルの叡山薬草風呂でした。これがまた気持ちよかったのです。

 

山城温泉の魅力その④

サウナー必見! シングル水風呂!?

温泉好きや銭湯好きと同じように、世の中にはサウナをこよなく愛する『サウナー』なる人々が存在するようです。彼らは全国各地のサウナをめぐり、いつしか訪れる『ととのう』瞬間のために活動しているとかいないとか。私はごく一般的なレベルでサウナは好きです。ただ、いわゆるサウナーと呼ばれる人たちのように何十回もサウナと水風呂を行き来することはできません。そんな、サウナーさん達にとってシングル(一桁の温度帯)の水風呂はある種、別格の存在らしいです。ここまで言えば分かると思いますが、ここ山城温泉の水風呂はシングル(約8℃設定)です。これは私も入った後に気づきました。

 

関東の銭湯ではサウナは追加料金がかかるところが多いのですが、京都は通常の入浴料金だけでサウナを利用できることが多いです。山城温泉もサウナ料金は不要なので、私もせっかくだからとサウナを利用することに。入り口付近におしりの下に敷く用のマットがあったので、それを持ってサウナへ侵入。先客は4名。話の内容的に、どうやら全員地元の常連さんのようです。温度的にはそこまで熱くなく、湿度も適度にあるので息苦しくなく長居できるサウナです。足元には足置き用の丸太が転がっており、そこに足を置けるようになっています。これは珍しいですね。最初は10分くらい入っていたでしょうか。周りの人が出るタイミングを見極めながら、サウナを退出します。で、お待ちかねの水風呂へ。まずはサウナの汗を流します。2つある浴槽のうち手前の水を汲んで身体に掛けると、お湯でした。どうやらこちらの浴槽は通常の露天風呂だったようです(水風呂は露天風呂にあります)。ならば、と気を取り直して隣の水風呂の水を汲んで掛け水をします。「おー、なんか冷たいかも。でも、まあ大丈夫でしょ」と、深く考えずに一気に水風呂へドボン。

 

「…………!?」

 

次の瞬間、声にならない声を出して私は水風呂から飛び出しました。

 

いや、もう冷たいなんてもんじゃなくて、痛い。

 

まさか、普通の銭湯にこんな水風呂があるなんて想像しませんよね。

 

いやー、完璧にやられました。

 

とりあえず、最初に間違えた隣の浴槽でびっくりした身体と頭を温めつつ冷やします。「この水風呂は何℃なんや……。今まで入った水風呂で一番冷たかったかもしれへん。どんなチラー使ってるんや……。水は井戸水か……? あー、しかしホンマにびっくりした」等。

 

とにかく頭の中は大混乱。その隣では何事も無かったかのように、水風呂がブクブクと泡を出し、壁から生えた塩ビ管からドバドバ冷水が注がれています。

 

しばらくボーっと水風呂を眺めていると、気づいたことがあります。それは、一緒にサウナに入っていたおっちゃん達は誰ひとり水風呂には入ろうとせず、隣の水シャワーで汗を流してすぐにサウナに戻っていくのです。そうです、彼らはこの水風呂の実力を知っているが故に、誰もまともに入ろうとはしないのです。なんということでしょう、完璧にアウェイの洗礼を浴びました。しかし、このまま引き下がっていたのではお風呂好きの名が廃る……と、リベンジを決意し、再びサウナへ。

 

先程より入念に身体を温め、15分くらい経ったところでいよいよ水風呂へ足を運びます。さっきは相手の実力が分からなかったので返り討ちに合いましたが、今回はそうはいきません。相手の手の内は分かっています。さあ、いざ尋常に……勝負。

 

どぼん……。

 

う……冷たい。しかし、先程よりは我慢できる。しっかり首まで水風呂に浸かって心を無にします。

 

「ドバドバドバ……」

 

塩ビ管から吐水される冷水の音だけが響きます。当然、水風呂には私しか居ません。

 

1分くらい経ったでしょうか。いよいよ身体の感覚が無くなってきたので、浴槽から出ようと目を開けます……。すると視界にあったのは、背中にもんもんの入った、いかにもなおっちゃん。しかも、水風呂浴槽の縁に腰を掛けて涼んでいます。

 

「いやいやいや……ちょっと待って。このタイミングで、しかもよりにもよって、もんもんのおっちゃんて!?」

 

私の頭は再び大混乱です。早くここから出なければ冷たさで身体が保たない。でも、ここを出るには、もんもんのおっちゃんに声を掛ける必要がある。なんという究極の選択でしょう。と、いうかなぜ私は普通の街の銭湯でこんなに追い込まれているんでしょうか。ツッコミだせばキリがありませんが、一刻も早く心を決める必要があります。

 

「すみません……出ます」

 

結局、冷たさには勝てませんでした。

 

ちなみに、もんもんのおっちゃんは特に嫌な顔をするでもなく普通にどけてくれました。一応、誤解のないように言っておきますが、私はもんもんがあろうがなかろうが、お風呂好きに悪い人はいないと思っています。好きも嫌いも、良いも悪いも、お風呂に入っている間は、誰もがみんな気持ちよく過ごすのが一番です。

 

と、なぜか途中から私のシングル水風呂体験談になってしまいましたが、要するにサウナーの方も、水風呂マニアの方も、ぜひ一度山城温泉の水風呂を体験してみてくださいね、ということが言いたかった訳です。これが450円で味わえるなんてビックリです。それと、京都は水が良いので入ったときの肌への浸透感が違います。良いお湯の温泉があるように、良い水の水風呂も素晴らしいですよ。

 

あと、受付時にお願いすればフェイスタオルを1枚まで無料で貸し出してくれます。なんと嬉しいサービスでしょうか。しかもタオルはペラペラではなく、しっかりモフモフの清潔なタオルです。私、これには本当に感動しました。

 

いやー、なんとなく入ってみたんですが、本当に良い銭湯でした。地元の人たちの名前入のカゴが置いてあったりして地域密着感もありつつ、観光客でも比較的入りやすい銭湯なので、京都を訪れた際はぜひオススメしたいです。

 

長くなってしまいましたが、最後に山城温泉の情報を載せて、おしまいにしたいと思います。今回もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

では、また次回。

 

 

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【銭湯情報】

山城温泉

京都市上京区仁和寺街道御前西入下横町218

TEL:075-461-1345

 

〜入浴料〜

大人 450円

中人 150円

小人 無料

入浴券10枚 4,300円

※毎月26日はお風呂の日。大人同伴に限り小学生3人まで無料。

 

〜営業時間〜

平日:午後3時〜深夜1時

日曜:午前8時〜深夜1時

※日曜日は朝風呂もやってます。

 

〜定休日〜

木曜日

 

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